重陽の節句に漢文で授業!?
令和4年9月9日(金)
今日は「重陽の節句(ちょうようのせっく)」です。1月7日の人日(じんじつ:七草の日)、3月3日の上巳(じょうし:ひな祭り)、5月5日の端午(たんご:子どもの日)、7月7日の七夕(たなばた)に続く、9月9日はそんな「五節句(ごせっく)」の一つなのです。中国では奇数を、2で割れないことから「壊れない」、おめでたい「陽数」としていました。9月9日はその陽数が重なるこの上もなくおめでたい日で、家族がそろってお祝いしたものです。
社会の授業では、中島先生がいつもその折々の話題を取り入れてくださいます。このG4の授業に招かれ、王維(中国の詩人)の「九月九日、山東の兄弟を憶(おも)ふ」という漢詩を紹介し、みんなで詠みました。重陽の節句を祝い、街中が家族そろってピクニックに出かけたり、美味しいものを食べたりしている中で、大都会の片隅でひとり、受かるかどうかわからない採用試験に臨もうとしている作者の気持ちはどのようなものだったでしょうか?
四苦八苦の中に「愛別離苦(あいべつりく:愛する人と離れ離れになる苦しみ)」というものがあるそうです。生きているうちに誰もが一度は経験する苦しみと言われています。しかし、その苦しみを経験するからこそ、思っていた人と巡り会えた時の喜びがこの上もなかったり、ひとりで頑張っている人に気付き、そっと傍(かたわ)らで励ましたりすることもできるのです。この漢詩で、そんな孤独の素晴らしさも伝えたかったのです。
明晩は「中秋(ちゅうしゅう)の名月」。「二千里外 故人の心(にせんりがい こじんのこころ:遠く離れた親友は今どうしているだろうか)」と、親しい人を満月に映して思い出してみたいものです。